ヨガ、ピラティス、ビューティ・ペルヴィスの3つのプログラムそれぞれの呼吸のステップを紹介します。実際に、呼吸を味わってみましょう。
呼吸を意識するのが難しかったり、緊張してしまったりするときは、このステップを参考に、呼吸と向き合ってみてください。

心と呼吸のつながりを感じる|YOGA

1.まず自分の呼吸をみる
2.息を止めずに、流れるように
3.吐く息を、ゆったり長く
4.吸う息も、急がずに

呼吸は「心と肉体の架け橋」ともいわれ、気持ちと連動しているものです。たとえば怒っている人は早い呼吸になり、心配ごとがある人はため息をつきます。日常生活のなかで、自分の気持ちの変化とともに起こる呼吸の変化に目をむけてみましょう。呼吸を観察すると、何か気づくことがあると思います。寝る前に片鼻ずつの呼吸で精神を安定させたり、気持ちがたかぶったときには横隔膜を下げてお腹の呼吸にしたり。イライラしているときは、吐く息をゆったり長く。神経を鎮め、副交感神経を優位にしてリラックスするよう心がけましょう。あまり難しく考えずに、心と呼吸のつながりを感じることを大切に。

動けば呼吸がついてくる|PILATES

1.とにかくまずは呼吸を止めないこと
2.先生とタイミングがずれても気にしない
3.動きに集中。呼吸は後からついてくる
4.呼吸を意識する練習のひとつとして、口から吐いて音を出す方法も
5.アドバンスになればなるほど、日常生活により近いかたちで呼吸を

「家でピラティスをしようとしたら、どこで吸ってどこで吐くかわからず、練習できなかった」と相談されることもありますが、そんなに気にしなくても大丈夫ですよ。創始者のジョセフ・ピラティス氏は呼吸について細かく指示しなかったようで、「ただ吸って、吐け」という言葉さえ伝えられています。また、「動きが呼吸を助けて、呼吸が動きを助ける」という意味では、呼吸だけのためにピラティスをするわけではありません。動けば自動的に呼吸はついてきます。もし何かわからなくなったら、自分の体で試してみてください。ピラティスはよりよい日常生活を送るためのメソッドですから、とにかくまず呼吸を止めずに練習してみましょう。

自然な体の欲求のままに|BEAUTY PELVIS

1.呼吸を止めずに、自然に
2.どんな動きで吸いたくなるか、または吐きたくなるか?
3.呼吸のタイミングに合わせて調整をかける

有名なピアニストやダンサーなどを観察してみると、天才と呼ばれる人たちは呼吸と体の動きがぴったり合っています。それは、人間の骨や筋肉が呼吸とともに常に連動しているからなのです。たとえば骨盤では、吸気で前傾し、筋肉は拡張します。呼気で後傾し、筋肉は収縮します。ところが、パソコン作業や浅い口呼吸などを続けていると、呼吸と体がうまく連動しなくなってしまいます。呼吸のタイミングがわからなくなったときは、頭で考えずに自然な体の欲求に従いましょう。吸いながら重いものを押したり、吐きながら物を食べたりしないでしょう? そうした本来の感覚や反応をとり戻すことが大切です。

取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.10より