最近、深く感動したことは何ですか?
赤ちゃんが出来た!と分かった時。
初めて赤ちゃんと対面した時。
赤ちゃんが初めて寝返り、はいはいをした時。
初めて歩いた時。
1歳の誕生日を迎えた時。
初めて言葉を話した時。

妊娠出産期とは、幸福感でいっぱいになる瞬間が沢山あります。心震えるような感動とは、人生の素晴らしさを再認識させてくれます。けれど、妊娠や出産、子育ては幸せの絶頂のはずなのに、同時に多くの不安や悩みを抱えることが多々あります。

赤ちゃんは順調に育っているだろうか?
無事に出産出来るだろうか?
きちんと子育て出来るか?
育児と家事と仕事を両立出来るだろうか?

赤ちゃんのことばかりでは無く、時には、身体が刻々と変化していくことに恐れを感じたり、産後は元に戻るだろうかと不安になったり、パートナーのちょっとした言動に傷ついたりと、とてもナーバスになります。

普段だったら気にしないことに深く傷ついたり、落ち込んだりするのは、ホルモンバランスの変化が大きく作用しています。産前産後は、気持ちの浮き沈みが大きくなるのは身体の機能が通常とは違うので、当たり前と言えば当たり前のこと。自分の身体の仕組みについて、妊娠中に起きていることや産後に起こりえることを知っておくことは、気持ちを安定させるのにとても役立ちます。心の準備になるでしょう。

とは言え、ホルモンのせいで、ちょっと落ち込みやすくなったり、イライラしているのだと知っていても、なかなかそこから離れられないのも事実。

そんな時に役立つヨガの思想に、イーシュワラ・プラニダーナという教えがあります。
イーシュワラ・プラニダーナとは、私たちの世界を支えるもの、大いなる意識に祈ること。神様に祈ることと言い換えていいかも知れません。

私たちは、常に何か大きなものに見守られていて、サポートされているので、それを拠り所にしましょう、助けてもらいましょうという考え方です。

私は、子どもの頃、お腹が痛くなるとよく「神さま助けて下さい」と心の中で祈っていました。誰に教えられた訳ではないですが、そうやって祈ると、不思議と痛みが弱まったり、痛みに耐えられた記憶があります。きっと祈ることとは、私たち人間がもっている生きる力を引き出してくれたのだと思います。

私の好きな言葉に「神様はケチじゃない」という考え方があります。これは、メディテーションのトレーニングで、イーシュワラプラ二ダーナのコンセプトを伝えるのに、講師のキミ先生が仰っていた言葉です。自分ではどうしようもない辛い状況の時、何か大きな存在に私たちは常に支えられ見守られている、だから、いつでも頼っていい、甘えていいのだと思えることは、時に大きな救いになるかも知れません。

ピンチの時には、祈ること、思いを捧げることを、ぜひ思い出して下さい。それは、心のよりどころや支えとなり、勇気や自信が湧いたり、精神的なゆとりやおおらかさ、「大丈夫」という楽観主義となって、私たちの背中をそっと押してくれることでしょう。

by ヨガインストラクター ユウ