ヨガクラスのはじめや終わりに参加者のみなさんで唱える「OM」(オーム)。短いながらも、パワフルなバイブレーションとなり、発声すると、おなか、鼻の奥、口元という順に響いてくるのがわかります。そのナチュラルな振動に、心も体も深い癒しを得ると言われています。

「オーム」は一番短くて身近なマントラですが、実は、マントラの中でも最も崇高だと言われています。マントラは、ヨガでは神聖な音を意味し、日本語では「真言」と言われます。

「マントラ」の語源は、サンスクリット語の2つの言葉から成り立っています。「マン」は考えること、「トラ」は現象的世界の束縛やネガティヴな思考パターンから身を守ること、あるいは解放することを意味します。――『スワミ・シヴァナンダの瞑想をきわめる』(産調出版)より

オームが好きなところは、神格がなく、属性がないところ、というヨガインストラクターのキミ先生にお話を聞きました。
「マントラには、性質のあるマントラと性質を持たないマントラがありますが、『オーム』は、性質のないマントラです。」

性質があるとは?
「ガネーシャ神は“知恵や繁栄”、シヴァ神は“破壊と慈愛”、というように、神さまによって象徴する性質があり、マントラはそれぞれの神さまを讃美する言葉になっています。すべてのマントラにふくまれている『オーム』ですが、実は性質を持たず、普遍の本質であるため、何かを象徴する神さまを崇めるものではありません。」

普遍の本質ってなんでしょう?
「よく、人知を超えた、とか、何らかの力がある、と思うことがありますよね。その『何らかの力』のことを、ヨガでは、『普遍の本質』や『純粋の意識』と表現しています。日本の神道で例えるなら、海の神様、山の神様、八百万の神様がいらっしゃいますが、その全ての神々を支え、源に流れる意識ということでしょうね。」

ॐ(OM:オーム)の文字をひもとく につづく

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お話 ヨガインストラクター キミ/企画・文 七戸 綾子