子どもが生まれてから、変化したことの一つに、子どもと一緒にテレビの幼児番組を見るようになったことがあります。

自分が子どもの頃から長く続いている番組を見ると、あぁこんな歌あったなぁと懐かしい気持ちが蘇ったり、出演しているお姉さんやお兄さん、キャラクターは変わっても、いつの時代も子どもは手遊び歌や体操が大好きなんだなぁと感じたり、なかなか考え深いものがあります。

一方で、最近の子ども番組には、思いのほか大人でも楽しめるようなものがあったり、シュールな内容のものがあったりと、これまた大変興味深いです。

今年の3月まで放映されていたフックブックローという番組は、大人でも馴染みのあるポップスなどを操り人形のキャラクターたちが演奏したり、ハーモニーを奏でて歌う番組だったのですが、子ども向けとは思えないクオリティで、毎日、朝の忙しい時間の中、私自身子どもと一緒に番組を見ることを楽しみにしていました。

中でも一番気に入っていたオープニングの曲は、まるでヨガ哲学をテーマにしたのではないかという内容で、1日の始まりに聞くに相応しいものだなと感じていました。

その歌詞は、汗っても、急いでも、時の流れは変わらず、もっと全体的に物事を捉えてみると、いつでも今、存在することに、幸せに気付くことができるという内容なのですが、歌詞全体が子どもにもわかる優しい言葉ばかりなのですが、実は、子どもと一緒に番組を見たり聞いたりしている親を意識して書かれた歌のような気がします。

まるで、子育てや仕事を頑張っているパパやママの応援歌ように聞こえます。

特に私が好きな部分は、深呼吸をしてみようよ!という内容が歌詞に含まれている点です。
ヨガのクラスでは、必ず呼吸にフォーカスする時間があります。生まれた瞬間から人生最後の時まで、私たちを見守るように寄り添うようにいつもそばにある呼吸。

年齢や性や人種を超えて、どの人にも等しく存在する呼吸は、とてもユニバーサルなものです。深い呼吸を意識的に行うと、心が落ち着いたり、気持ちが切り替えられたりするのは、そのユニバーサルなものを思い出させてくれるからのような気がします。

普段の生活で多くの時間、呼吸に対して無意識になりがちですが、新緑がまぶしいこの季節、そよ風を感じたとき、青空を見上げた時、この歌詞のようにちょっと深呼吸できたなら、
日常にある幸せが追いついてくるのではないでしょうか。

それは本来あるよさに目を向け気づくことなのだと思います。

by ヨガインストラクター ユウ