女性も大注目のプロテイン!目的にあった選び方と活用法
管理栄養士 衞藤 敬子
目次
1.女性にとってのたんぱく質
2.プロテイン、植物性と動物性の違い
3.食事の補完としてのプロテインの上手な摂り方
1.女性にとってのたんぱく質
“たんぱく質”はカラダの筋肉や血液、骨、髪や爪、ホルモンなどの構成成分で、日々新しいものに生まれ変わっています。つまり、しなやかなカラダ作りには、毎日食事からたんぱく質を必要量摂ることが重要です。
「筋肉は天然のボディースーツ」と言われるように、適度な筋肉はメリハリのある女性らしいカラダを作ります。ですが、たんぱく質が不足して筋肉量が減るとカラダはたるみやすくなり、理想から遠ざかってしまう可能性も・・・。普段のエクササイズを最大限に活かすために、食事内容にも意識を向けたいですね。
ここで、たんぱく質不足に陥りやすいパターンを2つご紹介します。
たんぱく質不足は、将来的に骨粗鬆症やフレイル(筋肉量低下による要介護状態の前段階)のリスクも高まることが分かっています。将来の健康も考え、不足しない工夫が必要です。
●野菜中心のダイエッター
「お肉=太る」という誤った考えから野菜中心の食事にした結果、たんぱく質不足による筋肉量減少、基礎代謝の低下、冷えや低体温などを招きやすくなります。
ダイエット目的のはずが、髪やお肌はカサカサ、疲れが抜けず痩せにくいカラダになれば本末転倒です。
●ベジタリアン(菜食主義者)やマクロビ愛好者
植物由来のたんぱく質源に偏ることから、たんぱく質不足を起こしやすい傾向です。
たんぱく質の目安は1食20g程度。下記目安より少ない場合は見直しを。
▼1食あたりのたんぱく質食品の目安(たんぱく質20gで算出)
木綿豆腐1/3丁(100g)、ゆで大豆50g(約1/2P)、納豆1P(40g)
*1.ヨガ・ピラティス愛好家の場合、たんぱく質摂取目安は体重1kgに対し1〜1.4g。
体重50kgの場合、50〜70g。中間値を取り、1食あたり20gとして算出
たんぱく質は基本、栄養バランスが整っていれば必要量を確保できます。
ですがたんぱく質食品の量によっては、カロリーオーバーや脂質過剰になることもありますし、食が細い方や食材を限定せざるを得ない方、選べる環境にない方などは難しい場合も。そんな時には、手軽にたんぱく質を補給できるサプリメントの“プロテイン”の活用もおすすめです。
2.プロテイン、動物性と植物性の違い
1.ホエイプロテイン(動物性)
牛乳を原料とし、体内への吸収が速いことが特徴。
筋肉の主成分になる必須アミノ酸やBCAAを含むため、筋トレ後の筋肉修復に有効。
ちなみにホエイとは“、乳清”のこと。ヨーグルトの上澄みやホットミルクにできる膜に含まれます。ヨーグルトを食べるときは、この上澄みも捨てずにいただきましょう。
*現在はホエイプロテインが主流になっています。
<こんな方におすすめ>
筋肉をつけたい方/強固な体を作りたい方 など
2.カゼインプロテイン(動物性)
ホエイと同じく、牛乳を原料としています。吸収はホエイに比べると緩やかですが、その分腹持ちが良いことが特徴。運動後の疲労回復を促進するアミノ酸“グルタミン”を含んでいます。
<こんな方におすすめ>
筋肉を増やしたい方/ダイエット目的 など
大豆を原料とし、吸収は緩やか。満腹感が続きやすいことが特徴。
大豆イソフラボンは美肌効果や骨強化、脂肪燃焼(脂質代謝の改善)を期待できます。
<こんな方におすすめ>
ダイエット目的/美容目的/体型維持/筋肉を維持しつつ体重を落としたい方 など
3.食事の補完としてのプロテインの上手な摂り方
ただし、プロテインの摂り過ぎは要注意。たんぱく質は1g=4kcalあり、摂り過ぎは体脂肪増加に繋がります。あくまで「不足を補う」という認識を忘れずに。
<おすすめの摂り方>
●朝食後
朝ごはんで「たんぱく質が少ないな」と感じた時に。たんぱく質の1食の目安は、手のひら1つ分(指を除いた部分)。慢性的にこの量より少なければ、利用もありでしょう。
●間食として
ダイエット中の空腹対策に。特に満腹感のある“ソイプロテイン”を選べば、無駄な間食を回避できます。
●運動直後
運動で傷ついた筋肉をすばやく修復できます。運動後のリカバリーには、吸収の速い“ホエイプロテイン”がおすすめ。クエン酸を含むレモン汁などを加えれば、疲労回復を早めます。
●寝る前
睡眠中に分泌される成長ホルモンによって、カラダは修復されます。夜は緩やかに吸収される“ソイプロテイン”がおすすめです。
プロテインパウダーは、料理にも活用しやすく大変便利。
パン生地に混ぜる、小麦粉の代替としてとろみ付けにするなど、いろんな形でアレンジ可能です。
しなやかなカラダ作りには、食事が基本。中でもたんぱく質は重要です。毎日選ぶ食品を工夫しつつ、足りない時にはプロテインを上手に活用すると良いでしょう。
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文 管理栄養士 衞藤 敬子/編集 七戸 綾子