ヨガで親しみのあるマーラーと、日本でなじみ深い数珠。この2つは全く違うものなのか、あるいは共通点があるのでしょうか。ヨガインストラクターのマレ先生に聞いてみました。

|数珠について

数珠の起源は、お釈迦様が木の実の玉を繰って108の念仏を唱えるよう説いたとされ、お釈迦様の時代の前から、インドにマーラーが存在していたことが示唆されます。日本への伝来は、正倉院の宝物の中に、聖徳太子の遺品として数珠が現存していることから、天平時代に仏教の本格的な伝来とともに数珠も日本に入ってきたようです。

仏教では、108は煩悩の数とされ、その数の念仏(真言)を唱えることで煩悩を滅し功徳を得るとされ(真言宗などでは、数珠を擦り合わせ、音を出すことで、煩悩を打ち砕くといいます。)、玉を一ずつ繰って、念仏を唱えた数を記憶するための仏具が数珠です。

数珠のつくりは、念仏の数を数えるための108の主玉のほかに、阿弥陀如来または
釈迦如来を表す親玉、四天王や四菩薩を表す四天玉、菩薩を表す浄明玉といった玉で構成され、数珠そのものが仏教の世界観を表しています。

108個の球の数珠は、二重にして使いますが、54個、36個、27個など略式の一重の数珠もよく使われています。

|マーラーについて
一方、数珠が仏具としてなる以前から存在しているマーラーも108個の玉で作られています。シヴァ神の涙が形となって顕れたとされるルドラクシャ(菩提樹の実)や水晶などの半貴石(天然石)でつくられています。このマーラも数珠と同じく、マントラを唱えた数を記憶するための神具です。

インド哲学において9は神聖な数とされ、その倍数である108という数も、とても神聖な数として大切にされています。108を1マーラーという単位として、1マーラーのマントラを唱えます。神々を讃えるマントラを唱えることで祈願し、またマントラを唱えその波動を使って瞑想することで、至高のエネルギーから真理に到達するとされます。

左は、菩提樹の実でできたマーラー。右は、天然石のマーラ。数珠は、アクセサリーのように身に着けることはないですが、マーラーはネックレスとしても愛用されていますね。マーラーにも、54個、27個の球でできているものがあります。

数珠もマーラーもそのもの自体が神聖であり、魔をよけ、幸福を呼び込むお守りであるとされています。もっと身近に、大切に持ってみてはいかがでしょうか。

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文 ヨガインストラクター マレ/編集 七戸 綾子