ふんわりと柔らかい雰囲気のなかに、溢れ出る笑顔。太陽のように周りを明るくあたたかく照らしてくれる、ミヅホ先生。かつて舞台に立つ俳優をしていた頃、身体的表現のワークショップで教えていた経験を持ち、ヨガとの出会いはエクササイズとして取り入れようと思ったのがきっかけでした。

初めて受けたのは、スタジオ・ヨギー銀座でリー先生のクラス。その終わりに、今思うとヨガニドラーのボディスキャンをしていたところ不思議な体験をして、ヨガをもっと学びたい、とすぐにトレーニングに申し込んでいたそう。

なにかに導かれるようにヨガインストラクターになったミヅホ先生に、お気に入りを聞いてみました。

愛読書といえば、これはもう、『インテグラル ヨーガ』が真っ先に浮かびます。10年ほど前、ベーシック・トレーニング・コース(BTC)を受けているときに初めて読みましたが、「あ!これ知ってる!」となぜか初めての気がしなかったスートラの数々がありました。人生で学んできたことが詰まっているような。

たとえば、「まず至高のヴァイラーギャに至れ。然るのち楽しめ」という、スートラの一節ではないのですが、ヴァイラーギャ(離欲)についての解説してくださるスワミ・サッチダーナンダのお言葉があります。これは、完全な離欲にいくまでに、あらゆる欲を否定して楽しみや喜び、もしくは五感や感情をなくせということではなく、結果に執着せずにその本源を見出だすことをしなさいねと教えてくれているんだと思います。

それは、禅とマインドフルネスの違いのようなもので、禅は、「禅することが禅」つまり、純粋な意識でこの瞬間に出会い続けていくこと、つまり一期一会を哲学としているのに対し、マインドフルネスは、パフォーマンス向上、コミュニケーション力UP、優れたリーダーシップを発揮、というように、先にメリットが示されていて、欲を与えていることになっている、とも思えるような違いがあります。

両方とも「今・ここ」に集中する、という内容としてはもちろん一致しているのですが、うたわれ方に違いがあるような気がします。プロセスそのものに価値を置く東洋的思想と、成果に価値を置く西洋的思想の違いとも言えるかもしれません。


インテグラル・ヨーガ (パタンジャリのヨーガ・スートラ)
スワミ・サッチダーナンダ (著), 伊藤 久子 (翻訳) / めるくまーる刊

生きているとずるくなる。そんなとき、『マザー・テレサ 日々のことば』を開きます。純粋に生きることを思い起こさせてくれるんです。沢山の知恵をもらえる本ですが、何よりも真っ直ぐに生きる勇気をくれます。なにかのときにパッと開いたら答えがあるような不思議さがある本です。

迫害を受けながら、なぜ強くいられるんだろう、と思いますが、私が好きな言葉は「彼ら(迫害をする人)の中に、あなた(神)を見せて下さい」。
辛いとき、逃げるのは容易いかもしれないけれど、人は生まれてきたからには、幸せになるはず。境遇や自分自身に言い訳をしないこと。マザー・テレサの「私を神様の道具として使ってください」という姿勢に、強さと前に進む力をもらいます。


マザー・テレサ日々のことば
マザー・テレサ(著), いなます みかこ (翻訳)/女子パウロ会刊

ページをめくると、1日ごとに言葉が綴られている。
お嬢さん手作りのしおりをはさんで大切にしている。

この時期欠かせないのは、ハーブコーディアルです。エルダーフラワーのエキスを凝縮させたものを、常備薬のようにしていますが、何よりも美味しいのが気に入っています。白ワインのシャルドネのような味です。このおかげか、風邪の引きはじめから悪化することがほとんど無い我が家です。

5年ほど前、ヨガの生徒さんでメディカルハーブを専門としている方から、自分の内側から整えるという観点で教わり、以来愛飲しています。決まって習慣的に、というよりは、お茶代わりに、炭酸水で割って飲んでいます。

ハーブコーディアル エルダーフラワー(左)、エキナセア(右)
エルダーフラワーは粘膜機能を強化するため、風邪を引いてからのケアに適しています。エキナセアは免疫力UPということで、風邪を引く予防としておすすめ。
エキナセアはお湯割りもおすすめ。両方とも、チアシードを入れると美味しい、とのこと。

ヨギー・サンクチュアリで展開されるものの中で、羽モチーフのデザインや綿毛シリーズは、大好きなラインです。今季(2016秋冬)は買いすぎました…。羽根や綿毛といった、「風」を連想させるものが大好きです。アーユルヴェーダでのピッタ・カファ体質からの憧れかもしれません。

私は、瞑想からの戻り方で好きな方法があるんです。それは、風が吹いている中で、鳥が舞い飛んできて、自分の体に帰ってくるというイメージなんです。ヨガニドラーでも「空」が出てくるとときめきます。

ヨギー・サンクチュアリ ジニーパンツ
2016AW グレイスフルジニーパンツ ラベンダー (左)
2012SS ダンシング・ジニー・パンツ(右)


今季の綿毛をモチーフにしたジニーパンツ(左)。一番のお気に入りは、2012年のフェザーをモチーフにしたデザイン(右)。

シーズンごとの柄や定番デザインもある、ジニーパンツ。
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写真(ミヅホさん)・取材 七戸 綾子