読者の方々から届いたインストラクターへの質問のなかから、特に多かったものをご紹介。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
日々なんだか忙しくて、大好きなヨガをじっくりする時間がありません。
ヨガをする時間が、10分しかないとしたら、どんなヨガをしますか?


Answer
ヨガをやりたい気持ちがあるのに、じっくり落ち着いた時間がとれない……そんなときありますよね。ヨガインストラクターも同じこと。3人の先生に、時間がないときはどうするかを、訊いてみました。

全身まんべんなく刺激するポーズを1つずつ

ヨガ キワ先生

前屈、側屈、後屈、ねじり、バランス、内ももの刺激のポーズをそれぞれ1つずつと、あとは、プラーナヤーマ(調気法)をします。私も家では、いつも10分くらいしかヨガをする時間がありません。ですから、このような感じで、毎日ヨガをしています。

今日は、
・前屈として、ダウンドッグ
・側屈として、立って両腕を上に上げてから横に倒していく、体側を伸ばすポーズ
・後屈として、ブジャンガアーサナ(コブラのポーズ)
・ねじりとして、仰向けに寝て脚を上げて左右に倒していく、寝た捻りのポーズ
・バランスとして、ヴリクシャ・アーサナ(立ち木のポーズ)
・内ももの刺激として、トリコーナ・アーサナ(三角のポーズ)
をしてきました。

この10分練習は先輩から紹介されたやり方で、その日の体調によって、順番やポーズを変えています。だいたい、朝起きたときか、寝る前にやっていますよ。

プラーナヤーマで、“今”に帰る

ヨガ タダヒコ先生

僕なら、プラーナヤーマ(調気法)をします。シンプルに深く呼吸しても良いし、カパラバティやバストリカなどバリエーションを持たすのも楽しいですね。呼吸を使い“今”に帰ります。

なかなか時間が取れない方も多いと思うのですが、ヨガの瞑想やアーサナ(ポーズ)を行うための時間や空間を用意しなくても、日常のなかでヨガ的な要素を取り入れて、“今”を感じることもできます。

たとえば、お茶を飲むときにゆっくりとカップの温かさや香りを楽しんだり、歩くときも1歩1歩味わって足を進めたり。“ながら”でほかのことをあれこれ“考える”ことはやめて、今行っていることを ただ“感じ”味わえればいいのです。

“考える”ことは、大切です。ただ、思い込みや先入観を一旦取り払って、ただ“感じる”……それは事実をありのまま受け止めるということになり、思考がリセットされます。そこからまた新しい発見や気づき、“考え”につながりますよね。

自分が好きなこと、ほっとできることを与えてあげるのもいいですよね。自分を大切に扱う。そういうときが “今”を感じる瞬間なので。

シルシャアーサナで10分間キープ

ヨガ ミヤビ先生

私だったら10分間逆転、もしくは10分間瞑想をします。

逆転のポーズでも、シールシャーサナですね。普段でもシールシャーサナは10分位キープします。正しい形で6分以上キープすると効果があると言われています。

血流が良くなったり、内臓の位置が整ったり、体の軸やコアが強くなり、心身が安定するためには6分以上という時間が必要なんですね。終わったあとは、余分な力が抜けています。

私はこの感覚が大好きで、効果の高い逆転のポーズを快適に維持できるようになるために他のポーズがあるのではないかと思うくらいです(笑)。

でも、いきなり逆転のポーズをすることは万人にはおすすめしないので、忙しいという人だったら、10分間のシャバアーサナをおすすめします。そして、以下を意識してください。

・全身の力を抜く……『脱力する』
・自身の身体を観察……『内観する』
・呼吸を通して、今の自分の身体の感覚を見つめる……『今とつながる』

日常生活では、無意識にいろんなところに力が入ります。頭の中も、過去のことや未来のことを考えて過ごしていることがほとんど。それを手放すだけで、脳も身体も疲れが取れるはずです。

寝ちゃったら? 寝ていいんじゃないですかね(笑)。

編集 竹内まり子