はじめて娘が”足がしびれる”という経験をしたとき彼女は、
「ママ、おひざがおしゃべりしてる・・・。」とおびえた。

はじめて娘と台風さなかの暴風の中を歩いたとき彼女は、
「ママ見て!旗ががんばれ~って拍手してる!!」と吹きすさぶ旗を真似て手を打って叫んだ。

はじめての水疱瘡でお休みしなきゃいけなかったとき彼女は、
「りょうちゃんといつまで遊べない?」と小さな恋心を覗かせた。

はじめて願いを叶えるゾウの絵を見て彼女は、
「みんなの願いが叶いますように」と言った。

はじめてクレヨンしんちゃんの映画を見て彼女は、
「シロ、死んじゃうの?」と悲しくて泣いた。

はじめて私が泣くのをみて彼女は、ただ黙って私の手をつないだ。

はじめて引越ししたとき彼女は、私よりも先に管理人さんと仲良しになった。

はじめて友だちに無視されたとき彼女は、
「それだけがあの子じゃないから大丈夫!」と笑った。

彼女の目に映る世界はなんて美しいんだろうと、たくさんのことを教えてもらいます。

以前にこんなことがありました。小学低学年の頃、夏休みは学童保育に通っていた娘が、帰りにミントの葉をちぎって帰ってきました。
「ママ、ミント欲しがってたでしょ?明日はもう少し摘んでくるね!」
私は、「ありがとう。でも、ミントさんに、ちゃんと『摘んでいいですか?』って聞いてごらんね!」と伝えておきました。

すると翌日。
「ごめん、ママ。ミントさんに『あなたを連れて帰っていいですか?』って聞いたらダメだって。」
「そっか、ありがと~」と、私は笑いながら可愛く思っていました。

それから3ヵ月ほどした、ある日。
「ママ、キッチンにミントさん置いといたから!」と、娘。
私 「まぁ、久しぶりね、ミントさん。」
娘 「わたしが毎日『可愛いね~』って言ってたら、今日は連れて帰っていいよ~だってぇ!!」

私は、娘がミントの葉と意思疎通したことよりも、事あるごとに娘が、道端に茂るミントの葉に声をかけていたということに感動していました。なぜなら、自分にもそういう経験があったからです。

いつから忘れてしまったんだろうと思いました。でも確かに昔むか~しは、そうやって自然界とたくさんおしゃべりしていたように思います。太陽と星と月と、風と大地とお話していた。

そう、暴風に吹きすさぶ旗は、大腕を振って、「がんばれ~!」って応援している。本当なんですよね。子どもは純粋だからこそ、何も色をつけずにありのままを見ている。私たち大人よりももっと精妙な意識レベルで世の中を見つめている。真っ直ぐな心で見ているんだと思います。

子どもの言うことだから・・・と軽視しないで、ゆっくりと話してみてくださいね。同じ目線になって見る世界は、とっても懐かしい景色かもしれません。私たち大人の中にある子ども心で子育てすると、子どもの行動の意図に感動するかもしれませんね。

たくさんの「はじめて」に共に出会ってみてください。

そして新しい一年を。

誰もがはじめて見つめる2018年の一月です。何度目かの一月ではなく、はじめましての一月に、出会っていきましょう。

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文 ヨガインストラクター ミヅホ/編集 七戸 綾子