4月9日は『子宮の日』です。
今回は子宮や月経のトラブルを予防して、すこやかにすごすおすすめレシピをご紹介します。

中医学で考える子宮について

中医学※では子宮は胞宮(ほうきゅう)あるいは女子胞(じょしほう)といいます。

胞宮(子宮)の生理機能は、月経、妊娠をつかさどることです。胞宮(子宮)の機能がスムーズにいくためには、生命力のエネルギー(精気)を蓄える場所で成長や生殖・発育にかかわる腎が正常に機能していることが大切です。

腎とは、腎臓だけではなく、生殖系、泌尿器系、ホルモン系、免疫系などの働きを含みます。生まれながらにもつ精気を蓄える場所で、人間の成長、生殖、発育、老化などをつかさどります。エイジングにかかわる臓器で、アンチエイジングをしたい場合、腎を強化します。

腎は排卵や月経を起こし、ホルモンバランスに深くかかわると考えるので、腎のパワーを落とさず、機能を高めることがとても重要です。

そして、中医学では「女性は血なり」といわれるように、女性は月経、出産、授乳と、一生を通して、血液を消耗する機会が多くあります。全身に栄養や潤いを届ける血が、なんらかの原因で不足したり(血虚)、生命を維持するエネルギーである気の流れが滞ったり(気滞)、血の巡りが悪くなると(瘀血)、子宮や月経のトラブルがおこりやすくなります。

こういった状態が月経不順、生理痛、PMS、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊などの原因になると考えられます。子宮をすこやかに保つには、血を補うこと、気血の巡りをよくすること、巡りを悪くする冷えをのぞくこと(体を温めること)が大切です。

※中医学とは中国伝統医学のことで、中国伝統哲学が基本となって発展した医学です。

子宮をすこやかにするおすすめ食材

くるみ
体を温める温性に属します。腎の機能を高め、老化防止作用があるので、子宮をいきいき若々しく保つのにおすすめです。鉄分やビタミンE・オメガ3脂肪酸を含み、血流改善効果が期待できます。

かつお
腎の精気を補います。気や血を補います。栄養的にも貧血を予防する鉄分や、疲労回復に効果的なビタミンB群が豊富に含まれます。

よもぎ
『病を艾(止)める』という意味から漢方では「艾葉」(がいよう)とよばれます。からだを温め、冷えをのぞき、痛みを止める働きがあります。血を増やす造血作用や老廃物を排出し血液の流れをよくする浄血作用もあり、月経不順、生理痛、不妊症や婦人病などにも効果が期待できます。

いか
16世紀の薬物書『本草綱目』に「月経を通ず」と記されています。血を補い、月経不順、おりものなどの月経トラブルの改善に効果的です。

フェンネルシード(ういきょうの種)
温性に属し、子宮の冷えを改善します。腎を補い、痛みを止める働きがあるので、生理痛緩和に期待できます。また爽やかな香りをもち、気の巡りをよくするので、
ストレスなどで、気の流れが悪くなった時などに有効です。

子宮すこやか薬膳万能たれレシピ

薬膳は、一度食べたからとすぐに効果があらわれるような即効性はありません。しかし、毎日、目的と食材の効能を意識して、食べ続けるとことで、少しずつ体によい効果があらわれます。

今回は、バリエーションがきき、毎日の食事にとりいれやすい、万能たれをご紹介します。子宮をすこやかにする効能をもつ食材を使った万能たれ2種とその活用レシピです。

子宮イキイキ♪
くるみだれ

材料(100ml容量瓶1瓶分)
くるみ(無塩)        30g

しょうゆ           大さじ2
酢              大さじ1
煮きりみりん         大さじ1
だし(なければ水)      大さじ1
しょうが(すりおろし)    1片
にんにく(すりおろし)    1/2片
お好みで豆板醤        少々

作り方
(1)くるみはフライパンで色づくまで乾煎りし、すり鉢で、粒がなくなり油がでるまでする。
(2) (1)にAを加え、なめらかになるまで、混ぜる。
(3)煮沸消毒した瓶に(2)を入れ冷蔵保存する

★しゃぶしゃぶや鍋物のたれ、サラダのドレッシングなどにもご活用いただけます。

腎を補う旬のキャベツで巡りのよくなる食材を巻きました
カツオと長いものキャベ春巻き

材料(4本分)
かつおたたき        1/2柵
キャベツ          4枚
ニラ            2本
長いも           100g
みょうが          2個
大葉            8枚
くるみだれ         大さじ3~4

作り方
(1)かつおは薄切りにする。
  キャベツは塩少々加えた熱湯でしんなりするまでゆで冷まし、芯の部分はそいで、千切りにする。
  にらは熱湯で、さっとゆで、水にとり、ばらす。
  長いもは5センチ長さの拍子切りにする。
  みょうがは千切りにする。
(2)キャベツを広げ、手前に大葉を2枚並べ、その上にかつおを並べ、わきにみょうが・キャベツの芯をおき、上に長芋をのせ、手前からきつく巻く。最後にニラでキャベツを巻いて結ぶ。
(3) (2)を食べやすく切り、くるみだれを添える。

子宮ぽかぽか♪
よもぎペースト

材料(200ml容量瓶一瓶分)
よもぎ(生 なければ冷凍)    50g
にんにく             1片
塩                小さじ1/2
オリーブオイル          150ml

フェンネルシード         小さじ1
カシューナッツ(無塩)      20g

作り方
(1)よもぎは塩(分量外)を少々加えた熱湯でゆで、水にさらし、水気をしぼる。
  にんにくは半分に切り、芽の部分をのぞく。フェンネルシードを乾煎りする。
(2)フードプロセッサー(なければすり鉢)に①・塩・オリーブオイルを入れ、ペースト状になるまで撹拌し、Aを加えさらになめらかになるまで撹拌する。
(3)煮沸消毒した瓶に②を入れ冷蔵保存する。
※冷凍のよもぎを使用する場合、(1)のゆでる作業は必要ありません。

★お魚のソースにしたり、焼いたバケットにぬれば簡単おつまみにもなります!

冷え、ストレス、月経トラブルも改善する組み合わせ
ホタルイカとアスパラのよもぎジェノベーゼ

材料(2人分)
ホタルイカ(ボイル)       80g
アスパラガス           4本
パプリカ(赤)          1/2個
スパゲッティ‐          160g
よもぎペースト          大さじ3
オリーブオイル          大さじ1/2
塩                少々
こしょう             少々
お好みでパルメザンチーズ     適量

作り方
(1)ホタルイカは目・くちばし・軟骨をとりのぞく。
アスパラガスははかまをむき、斜め切りにする。
パプリカは長さを半分に切り、細切りにする。
(2)1%の塩を加えた熱湯でスパゲッティ‐をゆではじめる。
(3)フライパンにオリーブオイルを熱し、ホタルイカとパプリカを炒め、油がまわったら一度火をとめる。
(4) (2)のゆであがる2分前に、アスパラガスを鍋に入れ、ゆであがったら、水気をきったスパゲッティ‐とアスパラガスを(3)に入れ、よもぎペーストを加え炒め合わせ、塩・こしょうで味をととのえる。
(5)器に(4)を盛りつけ、お好みでパルメザンチーズを添える。


春の食材をつかった子宮をすこやかにするレシピのご紹介でした。
ふだんの食事にとりいれていただけるとうれしいです。

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写真(食材・レシピ)・文 薬膳料理研究家・フードコーディネーター 神田 美紀