ストレスや緊張を解く~好きな香りで上手に深呼吸しよう~
生活や仕事環境の変化などで緊張気味な毎日を過ごされている方も多いのでは?
何かとせわしなく慌ただしい時期、呼吸もついつい浅くなりがちですね。
呼吸が浅くなると代謝が下がり、疲れが溜まりやすくなります。神経も過敏になって深く眠れなくるなど、多かれ少なかれ自律神経にストレスがかかりバランスも乱れがちに。
肉体的、精神的エネルギーの回復の遅れが続くと、思うように元気が出なくなってしまいます。
新しい環境に慣れた頃にダウン!! なんてことにならないよう、呼吸法を日常に取り入れることをおすすめします。呼吸をコントロールすると、体調の変化に気付いたりストレス回避に役立てることができます。
ヨガには沢山の呼吸法(調気法)がありますが、その時の自分の状態に合った方法を選んでおこなうとよいでしょう。環境を整えてゆったりおこなうことで呼吸は自然にコントロールしやすくなります。気持ちはどっしりと落ち着き、体は穏やかに和らぎながら頭がクリアになっていきます。
深呼吸というと、深く吸い込む、というイメージを持っている方が多いのですが、長くゆったり吐くのがポイントです。できれば、お腹を使う腹式呼吸でおこなうと、よりリラックスできます。腹式呼吸は、吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませる呼吸です。
姿勢は立っていても、座っていても構いませんが、背筋を伸ばしておこなうとよいでしょう。簡単に背筋を伸ばした姿勢を保てるのは、仰向けです。膝を立てるとよりリラックスできます。
深い呼吸 は気持ちの高ぶりを鎮め、副交感神経を優位に働かせて心身を緊張やストレスから解放します。
体内 へ取り込まれた酸素が隅々まで行き渡り、細胞を活性させて新陳代謝を促します。それにより老廃物がスムーズに排泄され疲労の回復を早めます。脳への十分な酸素供給も脳疲労を解消し、眠気や倦怠感を払拭してスムーズな神経の伝達を促します。
好きな精油を使って深呼吸をしてみましょう
呼吸は横隔膜の筋肉運動によって促されていますが、ストレスや過度な緊張などにより、横隔膜とその周辺の筋肉や組織が固くなっている場合があります。すると、スムーズな運動が出来ず常に浅い呼吸となってしまいます。
スムーズな呼吸をするには、横隔膜周辺の筋肉を緩めたり、気持ちを穏やかにする必要があります。先ずはみぞおちを手のひらで温めながら好きな香りを嗅いでみましょう。
ここでも姿勢は体の前側がひろがる仰向けが理想的ですが、落ち着いた座り方でも大丈夫。ゆっくりと香りを味わいながら呼吸に集中します。
香りは最初に脳の中で最も原始的な場所(大脳辺縁系)で処理されます。脳に届いた嗅覚信号は『快』か『不快』かという生命に直結する重要な場所で判断された後、二次中枢である大脳新皮質に伝わり、その香りが甘い/酸っぱいなどと識別されます。
本能を司るエリアで起こるこの『快』の信号は、体の生理機能をよりよく整えて生命を維持する力を促進するのです。
精油を使った芳香療法=アロマテラピーは、私たちの嗅覚を優しく刺激し、心身を活性する療法です。心地好い香りは、それを積極的に吸いたいという欲求を発動させ、さらに呼吸を深める要因になります。また、良い嗅覚刺激は本能を司る脳のエリアを活性して『生きる欲』を呼び覚ますと言われています。
天然の精油は、植物自身が生きるための力を育むために自らが作り出した自然の化合物。それぞれの香りが持つ成分の効果も相まって、より心地好くさらに深い呼吸へと私たちを導いてくれるでしょう。
例えば、オレンジやベルガモットなどの柑橘系は心を明るく元気づけてリフレッシュさせてくれますし、ジュニパーやサンダルウッドの森林系、ウッディ系の香りは気持ちをフラットに落ち着かせ、呼吸も穏やかに鎮めます。ローズやジャスミンなどの花の精油は、哀しみや孤独感から解放し、安息感をもたらせてくれます。
お仕事帰りなどで疲労困憊している時はアロマヨガで呼吸を深めてみませんか?
良い香りに包まれていつの間にか動きも伸びやかになっているのに気付くでしょう。精油を持っていなくてもアロマテラピーとヨガ、両方を楽しむことが出来ますね!
またこの時期、晴れた日には新緑を眺めながらお散歩するのもよいですよ。若々しく輝く緑色は目にも鮮やかです。優しく脳の疲れを取り、とてもリラックスするそうです。新しく芽吹くエネルギーには、私たちの呼吸を深めてくれる成分がたくさん含まれています。
『息をすることは生きること』
さぁ!!
植物たちと一緒に深呼吸してみませんか?
心地好い香りできっときっと元気が湧いてきますよ♪
文 ヨガインストラクター ユマ/編集 七戸 綾子