奄美、沖縄地方での梅雨入りにはじまり、長雨のシーズンになりました。ジメジメ、蒸し蒸しと湿気が多くなり気分はどんより、身体は重くて眠くなる頃ですがいかがお過ごしでしょうか・・・。アーユルヴェーダの季節の過ごし方から梅雨時期を快適に過ごす暮らしのヒントをご紹介いたします。

梅雨の特徴

空はどんより曇り湿った空気で息苦しさを感じますが、梅雨の初めは前の季節のなごりで冷たい雨風の日もあれば、夏に近くなる梅雨の終わり頃は温かく湿った風の影響で大雨になるほど天候の変化が大きい時期です。

農作物や植物にとっては貴重な恵みの雨の季節ですが、人間にとってはジメジメ鬱陶しい時期です。

アーユルヴェーダで梅雨を考えると・・・

アーユルヴェーダでは1年で最も日照時間が長い夏至(6月21日)の頃、人間の力(体力・消化力・精神力など)が弱まると言われています。朝起きられない、寝ても寝ても寝足りない、起きた時に疲れが残っている、空腹感がなくスッキリしないなど、イマイチ元気がない身体を無理やり動かしていませんか?

さらに梅雨の後には暑い夏が続くので気候の変化が大きい時期ですが、今のうちに体調を整えておくと夏バテ予防にもつながります。

雨の影響から自然界に湿気が増えるのでカパの影響により冷えやむくみ、重さ、だるさや咳や鼻づまり、皮膚のかゆみを感じる方がいらっしゃるかもしれません。

気温が上がってくる梅雨の後半には湿気とこもった熱でピッタ増加による頭痛に悩まされることもあるかもしれません。また気圧の変化や台風が発生すると強風が吹きヴァータの影響で関節の違和感、痛みを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

どんよりした曇り空が続くとやる気がでない、元気がないなど気分にも影響します。

それほどドーシャが増悪する時期ではありませんが、心身の力が弱まっている頃なので疲れすぎないように規則正しい生活によって体力の消耗をおさえて体調の維持管理を行ってください。

おすすめの生活

・体力が弱まっているので運動は軽めに
・消化力を上げるための運動は軽いウォーキングを(紫陽花ウォーキングはいかがですか・・・)
・強い太陽の日差しも体力消耗になるので晴れた日には日傘や帽子を忘れずに
・湿気がこもらないように衣類は軽く乾きやすい素材の綿や麻、絹製品を取り入れる
・住居の中も湿気がこもらないように風の道を通す
・ごま油のオイルトリートメントはおすすめ
・ごま油のうがい法もおすすめ

おすすめの食事

・消化に負担をかけないように温かく調理されたものを出来たてで食べる
・ショウガ、ミョウガ、大葉、ネギ、玉ねぎ、ニンニクなど香味を取り入れて食欲増進、消化促進
・レモンや柑橘類の酸味、岩塩などの塩味で味付けする
・冬瓜、瓜、トマト、らっきょう、アスパラガスなど旬の食材を取り入れる
・辛味のスパイスで消化力促進(黒コショウ、長コショウ・クミン・シナモンなど)

おすすめのごはん

旬の食材と香味で食欲増進、消化にやさしく簡単にできる一品をご紹介します
お浸しなどあれば満足感ある梅雨から夏向きの献立になります。

梅しょうがごはんと冬瓜のおつゆ

・梅しょうがの炊き込みご飯  
梅干しを丸ごと入れて種にある殺菌作用を引き出します。
ほんのりと梅の香と塩味があり食がすすみます

材料
お米、梅干し、ショウガ

作り方
お米をとぎ通常の水加減で、梅干しと粗みじん切りのショウガを入れて炊く
炊きあがったら梅干しをほぐすように混ぜる

・冬瓜のおつゆ
身体の熱を鎮める冬瓜は梅雨から夏の間ずっとお世話になる頼りになる野菜です
おつゆ、煮物、炒め物、和え物など万能です。材料は千切りにして加熱時間を短くして食べる人だけでなく作る人にも優しい品です。

材料
冬瓜、人参、豆腐、細ネギなど
岩塩、お醬油

作り方
材料を千切りにして好みのだし汁で煮、岩塩やお醬油で味付けする

日本の伝統的な暮らしをヒントに

ジメジメと蒸し暑い梅雨は日本ならではの気候。エアコンが無い時代の暮らしの工夫を現代に取り入れてみるのも一案。

・青梅の季節は梅干し・梅シロップ・梅ジャム・梅酒など梅しごとはいかがですか? 青梅が出回る梅雨に作っておけば夏の暑さ乾きを癒してくれます。

・湿気がこもらないように梅雨の間の晴れ間には風の道を通して、寝具や衣服をさっぱりする工夫があります。

今の自分の状態を気づく。規則正しい生活を送ること

季節の現れ方は土地によって違いがありますので梅雨入り、梅雨明けも地域によって時期が違います。雨の降り方も毎年違っています。天候や環境の影響は避けられませんが自分の体調を乱れにくくすることは、毎日の生活の仕方によって違いが出てくると思います。

今の自分の状態を気づく、規則正しい生活、過度な負担のない生活を送る、バランスを乱すことを控える、避けることは、何か特別なものを取り入れるよりも大切なことだなと感じています。

自分を大切に、日々の生活を丁寧に雨の彩を楽しんで穏やかに過ごしましょう。

文 アーユルヴェーダ講師 新宅 あきえ/編集 七戸 綾子