フィンランドのカルチャーに着想を得て生まれたElämäプロジェクトというのがあります。先日、そのワークショップに参加してきました。

Elämä(エラマ)とは、フィンランド語の人生、生き方、命(Life)を表す言葉。

Elämäプロジェクトは、フィンランド人の「自分の生き方」と向き合う文化や習慣のエッセンスを元に、人生の分岐点にいる人たちに、「わたし」の「豊かで幸せな生き方」を見つめる習慣をつけるためのサポートをしている。(ElämäプロジェクトHP参照)

フィンランドは、日本同様に、国土の70%を森が占めているという。ところが、山がなく、すべて起伏の少ない森や林で、人々は気軽に出かけていくことができる。

そんなフィンランド人にとって、自分と向き合うことは日常の、当たり前の習慣だという。そして、それぞれが自分にとっての幸せを考え、それに進むことを、“一人でやらなくていい”、というのが新鮮だ。それぞれが違っていいし、かつ、お互いの道へ進むためにサポートをし合う。

資源のない北欧では、教育が充実している。国によって大学まで無料化されていたり、職業訓練学校もあり、転職したい場合は学校に入って学びなおすことができる。

多様な選択肢や自由のなかで、自分が歩む道を決めるのは、ある意味しんどい、と私は思っている。「好き」や「心が動く方へ」で選択していいのか。「向いている」「合っている」という落としどころで落ち着くべきか。いやいや強引にでも「こうしたいから」「こうなりたいから」で描いた方へ進むのがいいのか。

やりたいことなんて、わからない。

そう多くの人が思っているのではないだろうか。そして、まあ、そんなもん、と考えるのをやめたり、突き詰めていくことや、自分自身と向き合うのをあきらめていることが多いのではないだろうか。

どうやって生きていこう。

人生の終盤に差しかかってくると、残りの時間をどう生きていこうか、強く意識するようになる。TVで長嶋一茂さんが、終活をしている、と言っていたが、遺言とか亡き後の準備、ということではなく、「残りの人生をより自分らしく楽しもう」ということだそう。瞑想し、死を強くイメージするからこそ、いま生きていることに感謝する気持ちがわくという。

Elämäプロジェクトでは、自分らしさ、自分ならではの価値観に気づけるようなワークがあり、さらに今の状態、これからどうしていきたいか、というのを書き出していく。その過程で、ごっちゃごちゃになっていた感情や頭のなかが整理され、クリアになっていく人もいれば、私のように、自分自身の本音が見えない、ということに気づくこともある。

最後には、「森の時間」というのがあった。フィンランドの森を再現するような、音声によるガイドで、わずか10分の短い時間、静かな時間を過ごす。瞑想といってもいいと思う。けれど、瞑想は、なにか正解があるようで、いつもその正解にたどり着けないような、道のりが遠いような気がしていた。「森の時間」であれば、自分でも日常のなかにつくることができるかもしれない、と思った。

なにかをするときに、その何か自体に心を向けること。バスに乗らずにちょっと長めの距離を歩いてみること。近くの公園に目的もなく出かけて過ごしてみること。

あるいは、強制的に静かな時間を持つこと。たとえば、瞑想専門スタジオに出かけてみるのも手かもしれない。

簡単なようでいて、自分らしく生きるってなんだか難しい。けれど、その道をあきらめきれないあなたへ。なにか糸口を探しているなら、出かけてみてください。きっとあなたにあった方法がみつかるはずです。

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文 七戸 綾子