暑い暑いと思った大暑の日、無性に鰯が食べたくなって、隣町の魚屋へ。1軒目は小さいのが1尾¥150、もうちょっと大きいのが¥200。あら、思っていたより高いのね、と近くにある2軒目を覗くと5尾で¥650。ピカピカしているし、太っている。季節柄、頭と内蔵は取ってもらった(次の可燃ゴミの日までが難儀なので)。

やっぱり刺身かたたきか?酢で締めようか?という事で、2尾は酢締めに。3枚におろした鰯は腹骨を包丁ですき取り、バットに並べて塩をふり、冷蔵庫で20分ほど置く。取り出し、水気を紙タオル等で取る。米酢1/2カップに砂糖大さじ1を加え溶かしたもの、輪切りにした鷹の爪適宜、紫玉ねぎのみじん切り1/4コ分を鰯の上にかける。再び冷蔵庫で20分以上寝かせる。

食べる直前に鰯の皮やひれを取り除く。皮はエラの側から尾に向かって引くと簡単に剥がせる。半身を4つほどに切り盛り付け、玉ねぎと鷹の爪を上に乗せる。

さて、残り3尾も「酢」つながりでさっぱりと。1尾を3等分の筒切りにする。小鍋に米酢90cc、しょうゆ大さじ1と1/2、にんにく薄切り1コ分、黒粒こしょう10粒くらい、鷹の爪1本、月桂樹の葉1枚を入れて火にかけ、煮立ったら鰯を加え、アルミ箔で落としぶたをして、弱火で15〜20分煮る。途中、そっとひっくり返し、水分が足りないようなら水を足す。焦げつかないよう、最後は汁気が少しだけ残る程度に。骨まで柔らかくしたいなら、圧力鍋で15分ほど。煮汁にあらかじめ酢の半量程度の水を足し、鍋の底にオーブンペーパー等敷くとくっつかない。

酢締めにしても酢煮にしても、くれぐれも新鮮な鰯に出会ったときだけ。表面が銀色に光り、多少なりともうろこが付いている物を。

写真&文 中村 宏子