友人より、越後湯沢の実家から送られて来たというこんにゃく芋を頂いた。梅干しに味噌、干し柿など、今まで色々な「手作り」にチャレンジしてきたが、こんにゃくは初めてだ。ずっしりと1kg近くありそうな大きな芋。添えてくれた手書きのレシピを見れば、幾度かの放置時間、30分〜1時間茹でるなど、一日仕事は覚悟しなくてはならないみたいだ。

レシピによれば、まずは「芋を小さく切ってふかす。皮をむく。」とある。切ってみると、堅めの里芋のような質感。色はうっすらピンク色。蒸した芋の質感はスエード専用の消しゴムのよう。皮をむく時、たくさんのひげ根や細かいゴミもくっついてしまうので取り除きながらむく。「芋1kgに対し水4Lの割合でミキサーで芋と水を混ぜ合わせる。」とある。全量では手に負えそうも無いので、250gの芋に対し水は1Lで。更に細かく切った芋に少しずつ水を加えながら、フードプロセッサーで混ぜ合わせる。残りの芋は冷凍しておいた。

混ぜ合わせたものを3時間放置したら、水50ccに炭酸ソーダを7g溶かしたものと芋を粘りが出るまでよく混ぜて、30分置く。これを型に入れるのだが、豆腐のパックなど取り出しやすいものがおすすめだそう。型に入れて更に1〜2時間放置。大きな鍋に湯を沸かし、型から外したこんにゃくを茹でること30分〜1時間。湯の中でなんとか形を保っていたゲル状のこんにゃくが、しっかりと弾力を持って来たら茹で上がり。200gくらいのこんにゃくが6個出来た。

はぁ、まるで初めから成功したかのように書いてしまったが、実はこの数日前、初めてのこんにゃく作りは失敗に終わっている。敗因はレシピにあった「ソーダ」。わたしはてっきり重曹(炭酸水素ナトリウム)の事だと思っていたが、正解は炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)だった。スーパー等でも手軽に手に入る重曹に対し、後者は薬局で売っているのだそう。結果どうなったのかと言えば、茹でる段階で湯に溶けてしまったのだ。悪夢のようなずるずるしたものは、1時間茹でても変わらなかった。

写真&文 中村 宏子