アーユルヴェーダの秋におすすめの暮らしのレシピをご紹介しましょう。

暑い夏が終わり涼しい風が吹き、台風が通過するたびに大地は潤い空気が段々と澄みわたり、過ごしやすい季節になります。スーパーの果物売り場ではぶどうの旬が過ぎ、柿、みかんやリンゴが並ぶようになり秋が深まっているのを感じます。

アーユルヴェーダでは秋分の頃は体力、消化力が中程度に強まると考えています。夏の暑さをこえてピッタ蓄積している秋におすすめの、アーユルヴェーダの暮らしのレシピをご紹介します。

夏に蓄積したピッタを癒してバランスを整える

アーユルヴェーダでは、太陽の影響を受ける暑い夏はピッタ(火)が蓄積すると考え、蓄積したピッタは涼しい風が吹く夏の終わりから初秋にかけて悪化すると言われています。

悪化したピッタは発熱、湿疹や皮膚のトラブル、口内炎、蕁麻疹、灼熱感、下痢、イライラなど過剰な熱エネルギーによる不調が現れます。


甘味・苦味・渋味、冷性、油分、いい香りでピッタを整える

味の作用と油分でピッタを鎮める。秋に旬をむかえる食材はピッタを整えるものがあります。四季がある日本の風土は、そこに暮らす人々に大きな救いをもたらしてくれていると感じます。

甘味をたっぷり含んだ果物、ブドウ、柿、リンゴや栗などはピッタを下げる作用があります。甘味といえば、秋に収穫される新米は水分を多く含み香り豊かで甘味たっぷりです。つやつや、ぴかぴかの炊き立てのご飯は五感を喜ばしピッタを下げる一品です。

渋味の緑茶もピッタを下げるので、食後に緑茶を飲むのもすすめられます。無塩バターから作られたギーは冷性で秋におすすめの油分です。普段使っている油をギーに変えてみるのはいかがでしょうか・・・ミルキーで甘い香りのギーを使うといつもの炒め物やスープなども香りよくリッチなコクがある一品に変わります。

ギーとクミンのじゃがいもとカリフラワーの炒め蒸し

材料
じゃがいも、カリフラワー
ギー、クミンシード、岩塩、黒コショウ

作り方
フライパンにギーを熱し、クミンシードを入れてパチパチとはじけてからじゃがいもを入れ、じゃがいもを炒めて弱火にしてふたをする。

じゃがいもに透明感が出てきたら、カリフラワーを入れてギーが全体にいきわたるように炒めてから再度ふたをして蒸し煮にする。

岩塩で味をつけて再度蒸し煮にする。

最後に黒コショウをふる。お好みでパクチーをトッピングする。

ポイント
じゃがいもなどのいも類は食後にお腹が張りやすいので、ギー、クミンシードと共に調理すると消化もよくなりお腹が張るのを軽減します。

クミンシードはさわやかな香りがあります。じゃがいも料理の一品にいかがでしょうか。


香りとお気に入りでピッタを整える

よい香りと心静かに穏やかになることは、ピッタを鎮めるのに重要なポイントです。自分の好きな香りで芳香浴、好きなお花を飾る、ペットと和む、お気に入りの心地いい静かな音楽を聴く、親しい友人との和やかな時間を楽しむ、読書や、学びを深めたり、お月見など・・・

月は冷性の働きがあるので、秋の澄んだ夜空に浮かぶお月見はいかがでしょうか・・・昔から、十三夜、十五夜、十六夜、立待月、居待月など満月だけでなく月を眺め愛でていました。高い夜空に輝く月を静かに眺めて、心静かなひと時を味わうお月見瞑想はいかがでしょうか。

冷たい夜風を避けて温かい部屋の中から眺める、温かくして月夜の歩く瞑想、お月見の茶会などなど、ピッタを鎮めるキーワード「甘味・苦味・渋味、香り、冷性」を楽しみながら取り入れて心と身体を整えてみましょう。

文 アーユルヴェーダ講師 新宅 あきえ/編集 七戸 綾子